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母が母でなくなった日

母は93歳
快食
快眠
歩みはヨタヨタながらも歩行器や杖は使わず何とか歩ける程度
何が問題って超難聴
補聴器は3タイプ目
型取りをして作ったオリジナル
だが、それでも難聴
会話は何とか
掃除はしなくなった
お料理もしなくなった
でも、病院の薬は何も飲んでいない
トータルするとやっぱり健康体
のはずだった母が一昨日、突然に歩行困難になり右足の感覚が薄らいで、右腕が痺れて来たと…

これはまずい!
夕方だったので慌てて救急で病院に……
やはり脳梗塞
太い血管ではなく細い血管だったと言われ少し安心
そのまま入院
現実を受け入れることが中々出来ずにそのまま別れた

翌日の面会
相変わらず面会は15分
こんなことでは益々、ボケてしまう
この日は会話は筆談でした
喋りにくそうにしていたことに驚いた

面会2日目
目の前にいた母は母でなくなっていた
唖然とした
夜中に叫びまくり
点滴を外し
ベッドに膝をついて立っていたと
やむを得ず、ナースセンターに連れて行ってもらったらしい
看護師さんに憎まれ口を聞いていたのだと思う
私のことも誰だと尋ねても即答はせず、面倒臭そうに話す
この現実を自信で理解するのは時間が必要
一睡もしていなかったことから私と2人になったら突然に爆睡し始めた。

痴呆の人間が突然に入院をすることになると、こう言う現象になるのはよくあることだと看護師さんに聞かされた。
時間が経つと戻るらしいが果たしてどこまで回復してくれるのか?

少しだけ安心はしたものの
これからどうしてやることがいいのかは、まだわからない

私はこの世で介護士、看護師、保育士さんのお仕事を心から尊敬している。
知らない人間の面倒をみることの大変さ、ましてや痴呆症の人間を相手にする程、大変なことはない
申し訳ない気持ちしかない

母が母でなくなった日
明日も会いに行こう